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ヒロシマ・アピールズ 1988

1988.8.6
ヒロシマ・アピールズ 1988
デザイン:田中一光 タイトル:「一羽の白い鳩」

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制作コメント

このポスターの主題は、一羽の白い鳩である。鳩は、反戦ポスターの題材としてはきわめて月並みだが、地球のあらゆる民族に通用する、視覚言語としては最高の普遍性をもっている。私は、都会的で、屈折した洒脱な表現よりも、あえて堂々と鳩に挑戦することにした。
清純で、静謐で、しかも毅然とした鳩を表現することで、人間の闇の部分に対する祈りをこめることができるのではないかと思った。
更に、この鳩はコンパスによる幾何形態の正円の連続で成り立っているが、西洋風のポスターというよりも、徽宗皇帝の桃鳩図などを念頭におきながら、あくまでも東洋的な思想に基づいたポスター表現を目指すことにした。また、背景に広がるキノコ雲は、遠くなってはならないヒロシマへの追惜であり、人類滅亡の恐怖におとしいれた原子力兵器撤廃への願いをこめている。

「ヒロシマ・アピールズ」ポスターとは

公益社団法人日本グラフィクデザイナー協会(JAGDA)と財団法人広島国際文化財団が1983年、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターを共同制作、内外に平和を呼びかけるキャンペーンの構想を発表。同年に第1回作品として、当時JAGDA会長だった故亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」が発表され、その後8年間、毎年1点ずつ新しいポスターが制作されました。

サイズ:B1(728 x 1,030 mm)