2019.03.13

JAGDA新人賞2019決定

受賞者:
赤沼夏希 AKANUMA Natsuki
岡崎智弘 OKAZAKI Tomohiro
小林一毅 KOBAYASHI Ikki

以上3名(氏名五十音順)

作品発表:年鑑『Graphic Design in Japan 2019』(2019年6月25日発行/六耀社刊/本体価格15,000円+税)
授賞式 :2019年6月28日(金)東京にて実施〈2019年度JAGDA通常総会会場〉
展覧会 :JAGDA新人賞展2019 赤沼夏希・岡崎智弘・小林一毅
     2019年5月28日(火)~6月29日(土)東京・クリエイションギャラリーG8
     2019年7月9日(火)〜18日(木)大阪・平和紙業 ペーパーボイス大阪
     2019年7月30日(火)〜8月4日(日)熊本・熊本県立美術館分館 展示室3
     2019年9月24日(火)〜10月14日(月)滋賀・成安造形大学【キャンパスが美術館】ギャラリーアートサイト
     2019年10月26日(土)〜11月4日(月/祝)新潟・新潟県立近代美術館 ギャラリー 
     2019年11月 愛知・日本デザイナー芸術学院 101ギャラリー

選考経緯:

・新人賞の資格(2018年10月31日現在39歳以下)を有する152名のうち、各カテゴリー選考において、3作品以上入選(複合カテゴリーを含む場合は2作品以上入選)の35名を一次投票の対象とした。会員ごとに全入選作品をまとめて陳列。

・選考委員29名がひとり5票までの用紙記入方式で一次投票(全票投票の義務なし/出品会員名は非表示)を行った。当初、22票、18票、11票、8票(4名)を得票した上位7名をノミネートとするという意見も出されたが、その下が7票(2名)、5票(2名)という状況をふまえ、最終的に7票をボーダーとして、9名(赤沼夏希、岡崎智弘、柏木美月、加藤圭織、窪田 新、小林一毅、清水彩香、本間 亮、前原翔一)をノミネートとした。

・最終選考は用紙記入方式で、1位=3ポイント、2位=2ポイント、3位=1ポイントの3票を投票(原則的に全票投票/出品会員名は非表示)。得票上位3名の、岡崎(55ポイント/23票)、赤沼(30ポイント/15票)、小林(25ポイント/12票)を「JAGDA新人賞2019」と決定した。


・後日、事務局が選考結果の確認作業を行ったところ、一次投票の際、1名(以下、A氏と表記)の出品作陳列において、1作品不足していたことが判明し、選考会運営を担当するJAGDA年鑑委員会に報告。A氏は一次投票で5票を得票しており、その作品が陳列されていた場合、一次投票の結果およびノミネート者が変わる可能性があった。

・年鑑委員会で検討した結果、全選考委員の集合できる日にちの再設定は現実的に難しいため、まずは、12月の新人賞選考会でA氏に投票しなかった選考委員24名に、事務局より電話で状況説明を行った上で、各自が投票した候補者とA氏の、それぞれの作品陳列風景の写真(会員名は非表示)を送付。投票内容が変わるかどうかをそれぞれに確認したところ、委員24名のうち1名が票を変更したため、A氏の一次投票得票数は6票となった(なお、その委員が投票を取り止めた候補者については、高得票だったため、ノミネートからは外れない)。状況を、12月の選考会でA氏に投票した5名の選考委員にも伝え、全選考委員で情報を共有した。

・年鑑委員会としては、前述のボーダーラインを拡げた経緯をふまえ、7票と6票の差は大きいとの考えをまとめた。その上で、あらためて、柿木原年鑑委員長と佐藤会長とで協議を行った結果、「選考委員全員に参集を呼びかけ、これまでの経過と現時点の状況、年鑑委員会の考えを共有してもらった上で、最終的な判断を行う。欠席の場合は、委任状等を提出してもらう」こととした。

・2019年2月16日に開催された会議にて、一連の経緯の中で、各選考委員から事務局を通じてメールや電話で受けた意見・感想も報告され、出席者により意見が交わされた。その結果、最終的に以下の通りとすることとした。


◎選定の結果について
・12/19の選考会で選出された3名を内定とする。内定者3名の結果については揺るがないという意見が大勢を占めた。新人賞選考について、あらためて投票をやり直すということはしない(受賞対象作品の各クライアントに制作データの確認を取った上で、正式決定とする)。

◎対応について
・12/19の選考会から2/16の会議までの経緯を、年鑑上に詳細に報告。佐藤会長および柿木原年鑑委員長連名の謝罪の文面も掲載する。ただしA氏や作品の固有名詞は記載しない。また、JAGDAとしてA氏への直接の謝罪は行わない。

◎今後の取り組みについて
・二度と同じミスが起きないよう、来年度よりダブルチェック他、体制を強化する
・今回の件を一つのきっかけとして、選考会の準備方法も含め、年鑑選考システム全体について、あらためて検討を行う。


*2/16の出欠状況(氏名五十音順/敬称略)
●出席=8名(柿木原政広、佐藤卓、新村則人、永井一史、永井裕明、原研哉、平野敬子、松永真)
●欠席=21名
*佐藤氏への委任=6名(青木克憲、井上嗣也、えぐちりか、澁谷克彦、三木健、水野学)
*柿木原氏への委任=8名(浅葉克己、居山浩二、植原亮輔、菊地敦己、工藤“ワビ”良平、髙田唯、仲條正義、渡邉良重)
*年鑑委員会の考えに賛同=7名(色部義昭、葛西薫、左合ひとみ、服部一成、廣村正彰、福島治、松下計)
○オブザーバー=年鑑委員2名(大原大次郎、川上恵莉子)、事務局3名



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選考結果とこれからについて

今回の選考過程においては、選考委員から様々な意見をいただきました。
・瑕疵が判明した時点で、公平性を担保するために、A氏に投票していた5名を含めた全選考委員にメールにて状況を一斉共有し、より早い対応策を検討・実施すべきではなかったか。
・実際に参集するかたちではないとはいえ、各選考委員があらためて時間を取り、確認・検討・判断したことは、実質的に再選考を行ったということだと思う。
・経緯説明は事務局担当者ではなく第三者からのほうが、各選考委員において、より客観的な判断がなされたのではないか。
そういった、それぞれの見解、意見、感想を寄せていただく中で、メールや事務局を通してではなく、選考委員同士の対面でのやりとりがよりよいと考え、2月に緊急会議を設けました。出品者に対して誠実な対応とは何か、また新人賞を目指されている方々の思いに対してどう応えるべきかを考えた上での対策でした。

結果として、投票をやり直すという選択は取りませんでしたが、仮に、同じ会場に選考委員全員が集まり、実際にやり直したとしても、12月の選考会とまったく同じ条件にはなりません。そういう意味ではひとつの選択ではありましたが、いずれにせよ、今回のミスは決して許されるものではありません。この場を借りてお詫び申し上げます。

左記に記載の通り、2月の会議では、ミスが起きたことを明らかにし、どういう対策を取ったか経緯を含めて開示すること、より丁寧な選考を行うべく、更に議論をつくすことが確認され、本年鑑誌上に記録として残すこともその一環です。そして、複雑な選考工程の再検討を含め、選考全体の精度を向上させていくことが、今後のJAGDAの取るべき姿勢と考えています。

1983年、新人賞創設時の年鑑巻頭に、当時会長の亀倉雄策氏による以下の言葉があります。
「この年鑑がグラフィックデザインというものへの問いに対して、いかなる答えになるだろうか。そうした問いに対しての答えとしては微力であるが、本年鑑から、新しい企画として“新人賞”の設立に踏み切った。新鮮なデザイナーをクローズアップすることが、将来のJAGDAの大きな布石となることを念願するものである。」
今やJAGDAにとって重要な事業となった新人賞を、これからもより魅力ある賞として成長させていけるよう、尽力していきます。

会長 佐藤 卓
年鑑委員長 柿木原政広