第17回亀倉雄策賞 佐野研二郎 SANO Kenjiro

受賞作:デザインイベントの企画展出品ポスター「HOKUSAI_LINE」(cl:デザインアソシエーション)

受賞のことば

いいたいことはたくさんあるが、それはデザインで還す。

亀倉雄策の仕事で一番好きなのは1964年の東京オリンピックのエンブレムだ。シンプルで力強く、唯一無二のデザイン。いつの日かこのようなシンプルで骨太な仕事がしてみたい、と思うようになった。ニッポンを、世界を、あっといわせる仕事。一生に一度でいいからそういうデザインをしてみたい。シンプルであること。明快であること。太くあること。Simple. Clear. Bold. ある日から僕のデザインの指針となった。デザインとはなんだ。デザインにはなにができる。そういう自問自答を繰り返した。去年、あるきっかけがあり、亀倉雄策の本を読み漁った。そしてその本にあったポートレイトを見るとちょっと怒っているような、(まだだめだ)といわれているような気がしたのでまた長いデザインの旅にでた。それがあるとき再びそのポートレイトを見るとすこし微笑んでくれた気がした。その後まもなく、まさかの受賞の電話がかかってきた。
忙しいなんて絶対に口にしない。言い訳はいわない。目の前の画面は世界に確実につながっている。デザインはシンプルで深い。考え、それを超えるべく手を動かし、また考え、また手を動かす。邪念はいらない。デザインは思想だ。簡単に。深く。明快に。太く。でも簡単に。ストレスはある。でもいつも朗らかである。そういうデザイナーでありたい。デザインの道はまだまだ続くのだ。負けない。僕には亀がついている。亀はゆっくり、確実にやってくる。

佐野研二郎

佐野研二郎

SANO Kenjiro

1972年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。博報堂を経てMR_DESIGN設立。 多摩美術大学統合デザイン学科教授。主な仕事に、東京国際映画祭ロゴマーク、サントリー「南アルプスの天然水」「グリーンダカラ」、トヨタ「NEXT ONE」「ReBORN」「TOYOTOWN」、日光江戸村「ニャンまげ」、TBS「Tブー!S」、映画「STAND BY ME ドラえもん」、ミツカン「とろっ豆」、NHK Eテレ「ふうせんいぬティニー」、山形県新米「つや姫」、幻冬舎「パピルス」、au「LISMO!」などがある。受賞に、毎日デザイン賞、NY ADC金賞、D&ADイエローペンシル、ONE SHOW DESIGN金賞、カンヌライオンズ金賞、東京ADC会員賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、ACC金賞、ACCタレント賞(グリーンダカラちゃん)、みうらじゅん賞(ニャンまげ)など。

掲載書籍:『Graphic Design in Japan 2015』(2015年6月発行)
連絡先:MR_DESIGN